無痛分娩(和通分娩)をお考えのかたへ

産科診療無痛分娩(和痛分娩)

無痛(和痛)分娩を受けられる患者さまへ

和痛分娩(無痛分娩)とは

麻酔薬を用いてお産(分娩)時の痛みを軽減する方法を「和痛分娩(無痛分娩)」といいます。
お産に対する不安・心配をやわらげて産後の体調回復も早く育児へスムーズに移行しやすくなる効果が期待できます。
麻酔薬は背骨のあいだに細いチューブを挿入し投与します(硬膜外麻酔法)。

当院の和痛分娩管理については下記リンク先の内容をご参照ください。
当院の和通分娩安全管理は①  
当院の和痛分娩安全管理は②

対象者

初産(初めてのお産)・経産婦を問わず以下を除くかたが対象となります。

  • 妊娠37週未満の早産
  • 血液凝固能異常
  • ヘルニアなどの脊椎疾患
  • 体重過多(BMI※28以上)
  • 院長が実施困難と判断した場合

BMI※ Body Mass Index,(体重kg)÷(身長m)2

予約方法

  • 胎児心拍を確認された以降から分娩予定日が診断された日までの間で、当院受診時に、または診療時間(別記)内にお電話でご予約ください。
  • 他院(帰省・転居など市外県外含む)にて診断されてから予約される場合、上記を過ぎる際は出来るだけ早急にご連絡ください。
  • なお安全管理上、月間の分娩数に制限があり規定数に達した時点で、予約を締め切らせていただきますことをご了承ください。

妊娠中にご準備いただくこと

「まったく痛くないお産」のイメージでは、和痛分娩(無痛分娩)は成功しません。
麻酔薬の量が増えるほど、お産の進行が妨げられて難産となる可能性は高くなります。
したがって妊娠期間中にどのように過ごし、どこまで準備をすすめることが出来るかがお産の時重要な決め手となります。

一番大切なのは、どうしたら妊娠期間中のあいだ少しでも胎児に良い環境を与えられるかを常に考えること。新しい命を大切に思い、たっぷり愛情を注いで、胎児にとってプラスになることは何か、と考えて行動しましょう。

このようにして積極的に愛情を膨らませて、内なる母性を育み、愛おしい我が子を迎えるため、お産を乗り越える気持ちを準備しましょう。
具体的な準備の方法は和痛分娩セミナーや保健指導などでご説明します。

臨月になったら

妊娠37週以降は毎回内診で分娩準備の進行具合を評価します。
大体の目安として初産婦で39~40週、経産婦で38~39週頃の計画入院となります。おおよそ入院日の2~3日前の診察で日程が確定します。
それまでは30分程度の軽い運動を毎日行いましょう。

夜間または休日に分娩となる場合は、安全管理上、和痛分娩は実施が出来ませんので陣痛発作や破水感などがあれば、まずは早めにクリニックへ連絡しましょう。

実施手順

  • 和痛実施の前日午後に入院、翌朝9時より和痛分娩が始まります。
  • お昼前に陣痛が強めの生理痛くらいになり、麻酔薬が開始されます。
  • 痛みの程度や麻酔の効き具合をスタッフと確認し合いながら安全に進めて行きます。
  • 最後は赤ちゃんが産道を通過する様子を実感しつつ、笑顔で感動のご対面となります。
  • お産の進行状況によっては夕方一旦終了し、しっかり休息して翌朝再チャレンジとなる場合もあります。

さいごに

和痛分娩(無痛分娩)の成功は、妊娠期間中を通して育んだ心と体のしっかりした準備と赤ちゃんに注いだたっぷりの愛情と、当日の看護スタッフとの意思疎通にかかってると言っても過言ではありません。

セイントマザークリニックでは、スタッフ一同、全力でサポートいたしますので、ご一緒に思い出深いお産を目指しがんばりましょう!

和痛分娩セミナー 詳細情報
対象 当院での分娩ご予約されたかたとなります
日時 第2土曜日午後2時~
場所 ZOOM(オンライン)開催

※セミナーご希望のかたはスタッフまたはお電話(022-263-8001)でお問合せください
(受付時間:午前9時~午後5時)。

安全な和痛分娩に向けた取り組みについて

当クリニックでは、和痛分娩を安全に実施するために下記管理を実施しております。

1.麻酔薬の安全管理について

  • 硬膜外カテーテル(麻酔薬を持続的に投与するチューブ)が正しい位置に固定されているかを確認する。
    正しく確認されない場合は、躊躇なくやり直す。
  • 本番で使用する薬品より濃度が薄く少ない量で体調の異常が出現しないかチェックする。
    安全が確認できない場合は、次の段階へ進まない。
  • 本番の麻酔薬もまずは少量投与で異常がないことを再確認のうえで必要量を投与する。
  • 頻回に麻酔効果を確認し、早期の異常発見に備える。

2.子宮収縮薬(いわゆる陣痛促進剤)の安全管理について

  • 麻酔薬の使用で鎮痛効果が発揮される一方で多くの場合陣痛も弱くなるため、自然の陣痛を補強する目的で子宮収縮薬を使用する。
  • 子宮収縮薬は点滴で使用する。少ない量から開始して母体と胎児の異常が認められないことを確認しながら階段的にゆっくり増量する。
  • 有効な陣痛が得られたと判断したら、その量を維持してむやみに増量を続けない。
  • 頻回に子宮収縮薬の使用による効果を確認し、早期の異常発見に備える。

3.不測の事態が発生時の対応

  • 母体および胎児の状態に危険がおよぶ恐れが発現した時点で、分娩の進行状態を確認する。
  • 東北大学病院産科または周産母子センターに連絡し、転院または緊急手術を行うか協議する。
  • 緊急搬送の方針となった場合は、医師または助産師が同乗し救急車で移動する。
  • 緊急手術となった場合は、東北大学病院などより産婦人科医師の派遣を受けて当院で緊急手術を実施する。
  • 緊急度が低くても麻酔による影響が蔓延する場合は東北大学病院産科または関連診療科へ連絡し、受診する。

当クリニックの和痛分娩では、実施中の患者さまに専属のスタッフが担当します。
なじみの顔のスタッフに、麻酔薬の効き具合や分娩進行の程度をじっくり確認しながら相談することで、ご安心とご満足いただけるよう心がけています。
お陰様をもちまして開院以来、一度も事故は発生しておりませんが、気を緩めることなく随時研鑽を積み重ねながら磨きをかけて、安全と信頼の実績を積み重ねてゆきたいと存じます。

セイントマザークリニック
院長 佐藤 聡二郎

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