思春期のココロとカラダについて

婦人科診療思春期のココロとカラダのケア

思春期の女の子が、同じ年頃の男の子より成熟が一般的に早いといわれるのはなぜでしょう?いろいろな理由が考えられますが、一番はカラダの変化が始まるのが男の子より早いためであると考えられています。

7-8歳ごろから卵巣の女性ホルモンが分泌し始めて、少しずつ女性らしいカラダつきになり初経(初めての生理)が始まります。

カラダがどんどん変化してゆくことに気持ちが追いつかなくなって戸惑うケースも少なくありません。思春期のココロとカラダはガラスのように繊細で温かい心配りが必要です。

ゆっくり丁寧に、カラダに起きてくる変化を肯定的に受け入れて、うまく向きあってゆけるようサポートすることが大切です。

頭痛・腹痛・めまい

思春期に限らず、女性では特に月経(生理)に関連して頭痛・腹痛・めまいの症状を訴えられるかたは多いです。しかしそのなかには貧血症、自律神経失調症、甲状腺の病気、うつ病などの疾患が隠れている場合がありますので注意が必要です。

思春期の貧血症

朝ごはん、ちゃんと食べていますか(食べさせていますか)?
某女子大学の調査(2012年)では毎朝朝食を食べている学生は52%しかいなかったそうです。よくダイエットのために朝食を抜く学生もいますが、かえって空腹が栄養をため込む体質となってむしろ逆効果なだけでなく、糖尿病・胃潰瘍・肝臓の病気・貧血の原因にもなり得ます。

特に貧血は、こどもの慢性疾患で一番多く、鉄分とタンパク質不足がその原因です。血液は全身に酸素と栄養を供給していますから、カラダ作りに欠かせない要素として貧血の改善は重要ですので、規則正しい食の生活習慣をつけましょう。

自律神経失調症

特に、起立性調節障害(立ちくらみ・朝起きれないなどの症状)は思春期に多い疾患といわれています。

正しく理解されずに気分的なものとして見逃されることが多いことが特徴です。「学校へ行きたいのにカラダが言うこと聞かず行けない」のと「学校に行きたくなくて具合が悪くなる」は根本的に違うので鑑別が必要です。自律神経の調整力が落ちることが原因であれば、漢方薬や血圧を上げる薬で治療する場合があります。

思春期やせ症(拒食症)

神経性食思不振症(いわゆる拒食症)は患者全体の95%が思春期に発症します。

だんだんと丸みを帯びてくる正常なカラダの変化を「肥満」と断定して拒み、恐怖から食を絶ってしまう状態です。友人関係や家庭でのトラブル・学業の不振などが発端となる場合もあり近年増加傾向にあります。

また自分自身で病気である認識がうすく、活動的であることも特徴です。重症化すると月経(生理)が停止し子宮や卵巣が萎縮してゆくだけでなく、脳の委縮から精神症状も出現し、突然に死へ至ることもあり注意が必要です。

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