女性ホルモンと生理のサイクルの関係について解説

婦人科診療女性ホルモンと生理のサイクル

ホルモンとは

ホルモンとは、特定の臓器(脳下垂体や甲状腺、卵巣など)で合成され血液の循環によって標的臓器に達し生理作用を発揮する物質をいいます。

ホルモンを産生し生体の機能を遠隔的に調整するシステムを内分泌系といい、神経系とともに二大調節系をなしています。

女性ホルモンとは

女性ホルモンは、女性らしい体格を維持し胸を発達させ肌の潤いを保つなどのはたらきをもつ反面、妊娠の成立を目指して分泌されるために妊娠していないと月経前には急激に分泌量が減少するため変動が激しく、この変化に対応しきれなくなってココロもカラダも不調を来しやすくなります。自分のカラダの特性を理解し、上手につきあえるようになりましょう。

卵胞ホルモン(エストロゲン)
卵巣にある卵胞が発育するにつれて分泌されるホルモンで、子宮内膜を増殖肥厚させる、女性らしい体格を形成する、肌の潤いや張りを維持する、骨にカルシウムを蓄積させる、動脈硬化を防ぐなどのはたらきを持ちます。
黄体ホルモン(プロゲステロン)
卵巣にある卵胞が排卵後に変化した黄体から分泌されるホルモンで、子宮内膜を柔らかくして受精卵が着床しやすくする、体温を上げる、乳腺発育を促進、水分貯留でむくみやすくなる、便秘しやすくなるなどのはたらきを持ちます。

女性ホルモンの調節と月経周期

  1. 大脳にある視床下部(ししょうかぶ)は血液中の女性ホルモンを感知し必要な時期を見計らって性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を分泌します。
  2. GnRHの刺激により脳下垂体(のうかすいたい)は性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンFSHと黄体化ホルモンLH)を分泌します。
  3. 性腺刺激ホルモンの刺激により卵巣は卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。
  4. 卵胞刺激ホルモンFSHの刺激を受けて卵巣の中にある原始卵胞の1つが発育を開始します。卵胞が発育するにつれて卵胞ホルモンが分泌し始め、子宮内膜が肥厚します。
  5. 卵胞発育と子宮内膜肥厚が十分になるころ卵胞刺激ホルモンFSHと黄体化ホルモンLHの分泌がピークに達し排卵(はいらん)が起こり卵胞から卵子(らんし)が放出されます。
  6. 排卵後の卵胞は黄体(おうたい)となり、黄体ホルモンを分泌します。黄体ホルモンの刺激により子宮内膜は柔らかくなり受精卵が着床(ちゃくしょう)しやすくなるよう変化します。
  7. 受精卵が着床しないまま経過すると、子宮内膜が剥がれて出血とともに排出されることを月経(げっけい)といいます。
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