子宮がん、乳がん検診について

婦人科診療子宮がん検診、乳がん検診

医学統計上、がん検診は6ヶ月に一度が理想と言われていますが、最低でも1年に一度は受診する事が望ましいと考えます。

子宮がんは「子宮頸がん」と「子宮体がん(子宮内膜がん)」の2種類に分かれます。がんの出来る場所、発症しやすい年齢や原因、予防法もすべて違ってきます。

子宮がん検診

子宮頸がん

20代女性がかかるがんで最も多いのは、子宮頸がんです。
10代のかたでも充分発症する事もあるため、早い時期から意識して検診を受ける事が大切です。「早期発見」がとても大切な意味を持っています。

子宮頸がんは子宮の出口側にできるがんです。最大の原因はHPV(ヒューマンパピローマウイルス)の感染です。初期は自覚症状が無く、早期発見には定期的に検診を受けるしか方法がありません。しかし、現在受診している確率は、全年代を合計しても20%にも満たないほど少なく、一番受診していただきたい年代である10~20代にいたっては、さらに低い確率となっています。子宮頸がん検診は、検査自体に要する時間は1分ほどですし、検診で異常を発見できる確率が他のがん検診に比べてとても高いのです。

初期段階で確実に根治するためにも、定期的な受診をおすすめします。

子宮体がん

子宮頸がんが入口部分のがんであるならば、子宮体がんは子宮本体部分のがんに当たります。50~60代に多く発症すると言われ、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンと深く関わっています。エストロゲンには子宮内膜の発育を促す作用があり、子宮内膜増殖症を経て子宮体がん(子宮内膜がん)に進化する事が分かっています。

出産した事が無い、肥満、月経不順(無排卵性月経周期)、卵胞ホルモン製剤だけのホルモン療法を受けているかた、高血圧、糖尿病、高脂血症、近親者に乳がん・大腸がんを患ったかたがいるというかたに多くみられると言われています。不正出血が見受けられるかたは、早めに受診してください。

乳がん検診

ピンクリボン運動など、近年乳がんに対する関心が高まってきています。
30~64歳における乳がんの発生率と死亡率は年々上昇の傾向にあり、23人に1人がかかると言われています。
こちらも子宮がん同様、早期発見がカギとなります。

乳がんが発生しやすい場所は、乳房外側の上部(およそ50%)、内側上部(30%)、外側下(16%)、乳首付近(9%)、内側下部(9%)の順と言われています。40代以上に多く見られ、高齢出産をしたかたや授乳の経験の少ないかた、肥満や親族ががんにかかった事があるかたなどがかかりやすい事が分かっています。
乳房に痛みの無い硬いしこりが出来て、押しても動かないのが特徴です。

乳がんは他のがんと比較して進行が遅く、しこりが1cm2になるまで10年ほどかかるので、しこりが小さいうちに発見できれば9割以上のかたが完治できるのです。

乳がん検診には問診、視触診、マンモグラフィ(乳房X線)検査、超音波検査があります。まずはご相談ください。

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