授かった命(いのち)を失ってしまい、深い悲しみの中にあることと思います。
あるいは自分を責めてしまったり、家族に申し訳ないと感じているかも知れません。
たとえ僅かな時間でも一緒に過ごし喜びを分ちあった大切な命との出会いそのものは決して無くなりません。
時間をかけてでも乗り越えて安らかな旅立ちを祈りましょう。
またいつの日にか、かわいい笑顔にめぐり逢うことがきっとできるでしょう。
医学的には妊娠がわかってから早い時期(妊娠22週未満)で赤ちゃんが亡くなってしまうことを「流産」といいます。
妊娠全体の約17%(およそ6人に1人)、その内の8割が妊娠初期(12週未満)であると言われています。ほとんどの場合、お母さんに原因はありません。多くは「赤ちゃん自身の染色体異常」で、受精の瞬間から流産が運命づけられていたのです。
極端な飲酒や喫煙、違法ドラッグにより流産率は上昇しますが、妊娠初期の仕事や運動などが原因となるケースはまずないと言えます。
なお、母体年齢が35歳以上で流産リスクが約2.8倍になるという報告はあります [Rochebrochard E, Hum Re-prod. 2002]。
【日帰りで治療の場合】
【1泊2日で入院治療の場合】
妊娠12週以降に子宮内でまたは出産中に赤ちゃんが亡くなり産まれることを「死産」といいます。頻度は妊娠全体の約1%と少なく、原因は様々ありますが約25%は不明です。
赤ちゃんの大きさによりますが、通常のお産のように陣痛を起こして出産する必要があります。
死産の事実をまだ受け止めきれずに気持ちに余裕がない時ではありますが、時間を長くおいてしまうとお母さんにも大きな負担となる病気になりやすいので、診断されたらご家族や医師、看護師さんのサポートのもとで、赤ちゃんをお見送りする準備と治療が必要です。
【2泊3日~3泊4日で入院治療の場合】
様々な理由で妊娠を継続できないと決めなければならない時があります。
授かった命を絶つことに耐えがたい苦痛を感じるのは、あなたが命の大切さを知っているからです。
たとえ僅かな時間でもあなたに宿った命が確かにいた事と今の心の葛藤を忘れずに、安らかな旅立ちを祈りましょう。
現在、人工妊娠中絶手術はお受けしておりません。
原因探索を目的として、血液検査で免疫機能や血液凝固能を中心に調べます。
また、流産組織の染色体検査を行う場合もあります。
結果によっては、夫婦の染色体検査も行われる必要がありますが、一方の配偶者にのみ不利益が生じることがないよう、遺伝カウンセリングによる十分な説明のうえ、理解・同意を得て進めていきます。
治療には、血液凝固能の改善を期して次回妊娠時にアスピリン投与が有効となる場合があります。