月経前症候群(Pre-Menstrual Syndrome;PMS)とよばれる、月経(生理)前の頭痛・不眠・イライラ・はきけ・過食などの一連の症状を含む状態をいい、月経が来て改善するのが特長です。
現代は結婚妊娠年齢が上昇し少子化も加わって、女性が一生のうちに迎える月経の回数が極端に増加しています。さらに職場でも家庭でも様々な負担にさらされてPMSになる女性は急増しており、まさに女性をむしばむ現代病と言えるのではないでしょうか。
慢性的に症状が続くときは産婦人科の受診をおすすめいたします。漢方薬による体質改善を試みますが、状況によっては低用量ピルなどの女性ホルモン薬が有効なことも多いので医師と相談しながら治療方針を決めてゆくことが大切です。
生理のときの痛みと出血量が多い(月経困難症)原因はおもに以下の理由が考えられます。
まず産婦人科に受診して原因の確認が必要です。ご本人の希望を尊重しながら最善の治療方針を相談していきましょう。
まず、産婦人科を受診してください。
子宮がん・妊娠の可能性について確認いたします。その他に子宮筋腫・子宮ポリープ・腟や子宮粘膜のただれ(びらんといいます)・女性ホルモン分泌異常などの有無を検査していきます。
そのうえでご本人の希望を尊重しながら最善の治療方針を相談していきましょう。
月経(生理)サイクルにあわせて量が変化するのは正常と考えられます。
それ以外では子宮がん・性感染症などでも多くなります。
まず産婦人科に受診して原因の確認が必要です。異常がなくてもおりものの量が気になる場合は漢方薬などが有効な場合もあります。
トイレが近くなる原因はおもに以下の理由が考えられます。
更年期の症状は、月経サイクルの乱れ・動悸・発汗・イライラ・寝不足などがあります。
誰もがいずれ起きることではありますが、ご自身の仕事や生活スタイルが乱されて困るときには、更年期の症状と似た病気(甲状腺疾患や自律神経失調症・抑うつ症状など)との区別が必要ですので産婦人科へご相談ください。
漢方薬・女性ホルモン補充療法(HRT)などご本人の希望を尊重しながら最善の治療方針を相談していきましょう。
避妊の対処法には主に以下のような方法があります。
性病検査はおりもの検査と血液検査があります。
おりもの検査ではクラミジア、トリコモナス、カンジダ、淋病などを調べます。
血液検査ではB・C型肝炎、梅毒、成人T細胞白血病ウィルス(HTLV-1)、HIV(エイズ)などを調べます。その他子宮頸がんウィルス(HPV)検査などがあります。
健康な男女が避妊せず定期的な性生活を送って2年以上妊娠しない場合を不妊症といいます。
しかし、35歳以上の女性では1年以上妊娠しない場合には早めの産婦人科受診をおすすめします。まずご自身で出来ることは基礎体温の測定です。婦人用体温計(小数点第2位まで表示できるもの)を使って毎朝起床時の体温を測定しグラフ化していただけますと、検査や治療のスケジュールがご相談しやすいです。
排卵のタイミングを産婦人科でチェックするだけで、妊娠率がアップする場合もありますのでお気軽にご相談ください。
検査は
①超音波検査(卵胞計測など)、②女性ホルモン検査(高温期・低温期)、③卵巣予備能(AMH)、④子宮頸管粘液検査、⑤LH尿定性検査、⑥精液検査などを行っています。
治療は①漢方薬、②排卵誘発薬(内服)、③HCG注射、④黄体ホルモン(内服・注射)などを行っています。 子宮卵管造影・人工授精・体外受精は専門施設へご紹介させていただいています。
一般に流産率は約15%で、妊娠年齢が上昇すると流産率も上昇しやすいといわれています。
しかし、初回流産率と1回流産後の次回流産率はそれほどの違いはありませんので過剰な心配は不要であると考えられます。
3回以上連続で流産する場合を習慣流産(全妊娠の0.5%程度)、連続2回の流産を反復流産(全妊娠の3%程度)といいますが、反復流産の時点で不育症検査のご相談をお受けいたします※。
原因によって対処法は異なりますが、漢方薬や抗凝固療法などが主流です。
※現在、不育症に関する検査および治療は行っておりません。
婦人科のがん検診は、①子宮頸がん検診、②子宮体がん検診、③乳がん検診があります。
子宮頸がん・体がん・乳がんは早期発見早期治療による治癒率が高いことが知られていますが、 諸外国と比べ日本女性の死亡率が高いのが問題となっていて、その最大の理由は日本女性の美徳である「恥じらい」といわれています。
つまり恥ずかしがって、なかなか検診を受けないうちに早期発見のチャンスを失ってしまうのです。かけがえのないあなたの人生を、大切な家族の尊い命を病気のせいなんかで台無しにさせたくありません。ご自分のヘルスケアに関心を持ってご受診いただきたいと願います。
婦人科のがん検診は、「異常なし」と「精密検査」とに仕分けするためにあるとお考えください。
つまり、「精密検査」で改めて「異常なし」、「経過観察」、「治療開始」に分けられますから、すぐに過剰な心配をすることは不要であると考えます。
子宮がん検診の精密検査は「コルポスコープ」・「組織診」を行います(当院で実施いたします)。乳がん検診の精密検査は最寄りの指定医療機関をご紹介させていただいています。
子宮頸がんワクチンは、発がん性のあるハイリスク型ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。
子宮頸がんを発症している20~30歳代の女性の約70~80%でハイリスク型HPV(16型、18型)の感染が報告されています。
一般にハイリスク型HPV感染者のほとんどは体内から自然消失しますが、一部は定着して数年~十数年かけて子宮頸がんを発症するといわれています。
ワクチンは半年間の内に3回接種することで約10年は効果が持続する(統計モデルによる推計では少なくとも20年以上)といわれています。ワクチン接種により、注射した部位がしびれたり痛みを生じたりする副作用が報告されています。
がんの発症を予防する有効性が高いといわれているだけに、因果関係の解明が待たれているところです。
婦人科を受診するタイミングは、基本的には生理中を避けてください。
ただし、生理痛がひどくて痛み止めが必要な場合や、生理の出血が止まらないなどの場合は、出血している期間に受診しても大丈夫です。